ドル円やポンド円の値動きが膠着しています。ドル円はコロナショックでリスクオフの下落となりましたが、有事のドル買いが入りやすくV字回復。その後も悪材料が様々出ましたが、マーケットはすぐに織り込みに行き有事のドル買いで膠着した動きが続いています。
世界各国による量的緩和を伴う金融市場の買い支え準備なども、マーケット心理を落ち着かせる意味では功を奏しているのものだと思います。それに伴い、クロス円も膠着した相場展開が続いています。
ドル円は上昇トレンドを形成する?
FX経済研究所で水上さんが解説されている所によると、ドル円はファンダメンタルズ分析でGPIFの買いが入りやすい事と、テクニカル分析ではこう着相場からの上放れ期待により、上昇していく可能性があるという事です。これは仮説の一つであると認識して損はないでしょう。
但し、相場では材料視されるものが違えばその通りにはなりません。テクニカル分析ではこう着が続いているので、下放れする可能性も残されています。大切な事は、どちらのシナリオも用意しておき対応ができるかどうかです。そのために根拠を持った複数シナリオを描いておきましょう。
相場が膠着すると注意が必要
ドル円やポンド円のチャートを見ると小幅レンジで方向感がありません。移動平均線も収斂しているためトレンドを確認することはできないでしょう。ただ、こういう時には注意が必要です。
相場が膠着した状態は新材料待ちということであり、相場を動かす新しい材料が出れば一気に同一方向に動く可能性があります。チャート分析をしてみると持ち合いを離れた時のエネルギーは大きいとわかるでしょう。
しかし、こういう時のダマシにも注意が必要です。持ち合いが解消されて今までのレンジが崩れると思いきや、逆に切り返して値段が走ってしまうことがあります。この時のエネルギーも大きいものがあります。
つまり、もみ合い時の強力なレンジを抜ける地点を確認することと、それがダマシで切り返してこないかに着目する必要があります。レンジ抜けを確認して追随していく(レンジブレイク)時には逆指値を入れる事や、時にはド転することも考えておいたほうが良いと思います。
また、膠着相場が続いている間はレンジ内で如何にうまく取引するかでしょう。逆張りのスキャルなどの短期売買で薄利を取っていくの有効でしょう。その代わりいつレンジブレイクをしても良いように逆指値は忘れずにです。
トレーダーは値動きがなければ商売になりません。そういうストレスを抱えながら膠着相場を過ごしています。そのせき止められた感情が一気にブレイクする時が値動きに反映します。それを冷静に分析してトレードに生かしましょう。