「状態別・投資家心理」を理解しよう！

「状態別・投資家心理」とは投資家がおかれている状況別で抱きやすい心理状態の事です。大別すると、下記の通りになります。

１．保有したポジションに利益が乗っている

２．ポジションは持っていないがこれから流れに乗ろうと思っている

３．ポジションは持っていないが逆張りで仕掛けようと思っている

４．保有したポジションに損失が出ている状態

この１～４の基本的な投資家心理を読み解き、現相場で誰が動き出すのかを推理することで、未来の相場をある程度予想することができます。今回はこの中で為替相場にダイナミックな影響を与える４について解説したいと思います。

保有したポジションに損失が出ている状態にある時の投資家心理としてはご経験もあるかもしれませんが、とても辛く早く逃げ出したいという気持ちだと思います。「どこかで反転してくれるかもしれない」「このまま持っていても損が広がるかな」「もう少し早く損切りしておけばよかったな」「頼む！反転してきてれ！」

そして、上記のような思考が頭の中に巡って、どうにかして損を最小にする方法を考えながらも感情的にもう楽になりたい気持ちが錯綜して混乱状態となっているでしょう。

まだ、事前に戦略を立てて計画通りにしていれば、このような事が起こったとしても多少は冷静にトレードをしていけますが、値頃感でやっている人はもうパニックだと思います。

人間の心理というものはとても脆いもので、損失に対する恐怖感は強烈です。これを回避するには強いメンタリティが必要であり、多くの投資家はここで大きく失敗してしまいます。だから、相場ではこういう局面では大相場となり、一気に投げが出てチャートが伸びます。

そこを予想して一気に攻め立てるのが一番稼ぎやすいためプロのＦＸトレーダーは投資家が一番弱って投げが出やすいポイントをチャートを見ながらじっと待っているのです。

相場格言で「溺れた犬は棒でたたけ」とありますが、まさにこれのことであり強烈に稼げるポイントとなります。具体的には下記のチャートを見てください。

sinriex

これは2015年2月5日のドル円1分足ですが、①の値段を付けてから売り優勢のまま順調に下落していました。しかし、117円ちょうどあたりから相場が反転し徐々に上昇を始める。

チャートの流れは戻り売りだと判断しているトレーダーが売り上がりを始めてじりじりと上昇をしだし直近の高値である①付近まで来て一旦落とされるものの、再度、上値をチャレンジして上昇ブレイク展開。

大きな陽線はこまで売りあがっていたトレーダーの投げによって作られそれが一巡し売り買いが錯綜する（ロウソク足が陰線で終わる）ことを確認できれば素早く利食いする。

この場合は相場が弱気で、売り方の数が知れていたので噴き上がりの上昇が限られて利益も薄いかったのですが、こういう局面が来ればおいしいトレードとなることが多いです。

117円ちょうど付近から売りあがってきている人は、「もう下がるだろう」と思っても上がる一方なので不安心理が増幅しつつある程度下がらないと損が確定してしまうためある程度がんばって下がるまで持とうと考えます。

しかし、①のラインを上抜けすると、これは新相場と思って持っていたポジションを決済して買いが買いを呼び噴き上がることになります。このパターンはいろいろな通貨の時間足でも出る事です。

具体的なトレード手法としては、直近の高値（安値）にかけて徐々に上昇（下降）している相場で、直近の高値（安値）をブレイクした瞬間にトレードすることです。

また、レンジ相場である事も考えられるため、下図のようにトレードをすることも投資家心理をうまく利用したトレード手法であると言えるでしょう。

sinriex２

相場が徐々に上昇して①ライン付近まで上がってくると、上昇ブレイクの可能性もあるがブレイクせずに下がってしまう事もあります。なので、ライン付近で売りを仕掛けておき、下がればそのまま追撃していく。

しかし、今回の相場のように反転してブレイクしてくるようであればドテンで2倍投資で買いに転じて追撃していくという方法です。こちらは少々高度なトレードにはなりますが、効率的に鉄板相場で利益を取るという意味ではゆくゆくは習得していくべきものだと思います。

このように投資家心理を理解していれば、チャートに現れる値動きに意思を感じることが出来るようになってくると思います。それがわかるようになってくれば普段使っているテクニカル分析にも磨きがかかり相乗効果で安定した勝ちを実現していくことができるでしょう。

とにかく、これは投資家心理に裏打ちされた鉄板中の鉄板パターンなので覚えてください。そして、実践で出てくればまずは形として覚えたものをトレード生かしてください。きっと、画面の向こうにいる相手の心理もわかってくると思います。

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