FXは人間の心理戦

FXは相手の心理戦です。相手の損切りが重なった時に大きな値動きとなります。であれば、売り・買いの心理状態を把握してトレードに生かすということは必要不可欠なことになります。

大衆心理を読み解き、損切りを巻き込んだ大きなうねりを感じることができれば損小利大に近づけると思います。抽象的で分かりにくいかもしれませんが意識しながら相場と向き合ってみてください。きっと何かが見えてくるはずです。

世の中の常識では勝っている者が鼻息は荒く、負けている者は肩を落して目をつぶると言った構図が思い浮ぶのですが、相場の世界では大きなマイナスを永く持っている者が開き直って少々の値動きでは堂々としていて、利が乗っている者が少しの値動きに対してでもびくびくしています。

結果、 利は小さく損は大きくなる。

土地を耕し種を蒔いて収穫を待つ我慢強い農耕民族と、お腹が空いたら逃げる獲物を捕まえ殺して食べる狩猟民族が入り乱れてのお金の取り合いだと、どうしても農耕民族の方が不利になります。私も農耕民族の血が流れている為、根性で我慢して耐え抜く美学なようなものがあって、ボロボロになって倒れても倒れても起き上がるのが美しく映る瞬間があります。

為替相場の場合、悪く言えば売り方と買い方の殺し合い、食うか食われるか倒れている者の息の根を止める。それが利食いをしたと言うことになります。吉本新喜劇ではないですが『このへんで、ゆるしたろ~』などと言うことは為替相場では命取りになってしまいます。「毒を食らわば皿まで」。これでなければ、この世界では生きていけないのではないでしょう。

上がるか下がるか二分の一、為替相場を全く知らない人でも五分五分のはずが7勝3敗で勝ち越しているにもかかわらず資金が減ってしまったと、言うことをよく聞きます。

手数料が入りますので全くの五分五分とは言えませんが手数料のせいだとは思いません。勝ったり負けたりしながら年間通してみれば、勝つ人は毎年勝つし負ける人は毎年負けるのです。(マージャンでもそんな感じです)

損小利大(損を小さく、利益を大きく)を目指すなら、極端なことを言えば買い方の場合は天井まで買いきるぐらいの気持ちで、売り方の場合は底まで売りぬくぐらいの気持ちが良いと思います。人間の心は弱いものなのでそんなリスクを取れないと思う人がほとんだと思いますので、利小損大になってしまいます。

FXや相場で勝とうと思えば、「毒を食らわば皿まで」。勝っている時は手を緩めないでとことんいく、負けている場合はすぐやめる、これがとても大事です。

相場格言で「投げたら終い、踏んだら終い」というのがあります。

確かに売っている方が損切りの買い戻し、買っている方が損切りの投げ売をだせば相場は変化します。相場の安値は買い方が作り、高値は売り方が作るとい うのが基本です。これは基本ですからよく覚えておいてください。

例えばドル円で 2011年3 月17 日に大きな下ヒゲをつけ 76.327 円まで下落しました。 東北地震やそれ以前から国内の個人投資家のドル円の買いが溜まりに溜まって いたのですが海外勢の売り仕掛けでストップがストップを呼び、あの下ヒゲは 買ってる投資家の売りで下げたと思っています。

その後は反発しましたが 2 円ほど上がった 78 円台で戻り売りが少し溜まり、介 入で 82.19 円まで上昇しましたが戻りを売られ 80 円で揉み合った時にドル円は 戻り一杯したと思われ売りが溜まりました。 この時点で 78 円台、80 円台で売りが溜まったわけです。その後は大きなドル円 買いの材料はなかったのですが、ドル円は 4 月 6 日に 85.525 円まで上昇しまし た。この上げは売り方の損切りの買戻しがでたため上げたのです。

買い戻し一 巡後は再度 75 円台まで下げました。 これで分かるように安値は買い方が作り、高値は売り方が作る、そして大きく ストップを作る時は大きな上ヒゲ、下ヒゲを作りやすいです。4 月 6 日の時は陰 線でしたがヒゲはなかったです。本当は 3 日前の 84.80 円の時の値がポイント で、その後の 85.525 円までの上げは惰性の上げと見ています。

これで分かったかは分かりませんが大きな投売りが出たり買戻しがでると相場は転換しやすいです。

大天井、大底を見極める方法

相場は安い所で買って、高い所で売れば儲かります。しかし、それを行うことはとても難しく、逆に高い所で買わされて、安い所で売らされたりしてしまいます。では、どのような時が相場の天底なのか?私が経験した中だけですがご紹介したいと思います。

ある通貨に取り組んでいる人の8割以上が強気に傾いた辺りがその通貨の転換地点、つまり、天井ではないかと思います。これは宗教、国籍、性別、資金量に問わず買い方も売り方も、経済評論家も為替ディーラーもが強そうに見える所です。

後からチャートを見て『あー、あれが天井だったんだ』と気がつく場所でその時、売り方だった人は今まで売り方で我慢に我慢を重ねてきたのにも関わらず、いつの間にか押し目買いに変わってしまっていて、買い方はイケイケドンドンで思わず乗せたくなる所、私の数少ない経験ではそんな感じでした。

ところが、その相場にそのときに参加していないと『こーんな高いとこ誰が買うの?』とか『どう見ても天井だよ』と言う感じで、株しかやらない友達によく簡単に言われました。『幽霊と相場は暗い場所が好き』このような格言もあったと思いますが、とにかくテレビや新聞で取り上げられ脚光を浴びて猫も杓子もと言うなかで皆の気持ちが片寄った所は要注意です。